キングオブコント2017を見た後の話

私はよく体調を崩します。日頃が不摂生なのか、身体が弱いのか、普通の人が平気なものを過剰に捉えているのかよく分かりませんが、月に1〜2日くらい、ろくに動けなくなる日があります。特に今回はそれが長引いていて、普段の2倍くらいベッドに沈み込みながらキングオブコントを眺めていました。うまく言えないのですが、本当に2倍沈み込んでいる感覚なんですよこれ。なんなんですかね。

 

今回のキングオブコントは、ゾフィー、パーパー、そしてにゃんこスターのような、普段私が見に行くようなライブに出ている人達と、さらば青春の光やアキナみたいな「賞レースの常連さん」みたいな人達と、子どもの頃にテレビで見ていたアンガールズが、同じ並びで出ているというところにすごく興奮しました。ジャンガジャンガで育った世代なので、私は。

 

ネタの話をするのでまだご覧になっていない方、以下はご注意くださいね。

わらふぢなるおは劇場では何回か拝見してるんですけど初出場、トップバッターとは思えない安定感のある笑いで、これからネタ番組にたくさん出て欲しいなって思いました。ビジュアルのバランスもとってもいいですよね…!
パーパーは何本か見て良さがじわじわ来る感じだなって思ってるコンビなので少しでも気になった方はYouTubeとか見たりライブ行ったりして欲しいです。初めて見た時よりも2回目3回目見た時の方が面白かった記憶があります。
大好きなゾフィーはもうとにかく最高でした。あのネタ、ギリギリ日常感はあるけど絶対変な感じ、コントの設定として大正解だと思ってます。個人的には2人ともよく動いてて声量もあって、舞台の使い方もうまい芸人さんだと思ってるので、ぜひちょっとだけ広めの劇場で良いネタをやって欲しいです。ユーロライブでもいいけど、次は草月ホールとかで単独やったらめっちゃ良いなって思うんですが、どう思いますか。この後の話にも少し重なるのですが、ゾフィーの「論破」のネタがすごく好きなんです。飛び降り自殺っていう比較的よくある設定なのですが、良いんですよ、とても。もう思い出せないくらいの瑣末な理由ではあるのですが、すごくつらい思いをしていた時にあのネタを見て、たくさん笑ったのと同時に救われた気持ちにもなったんですよね。もちろん向こうはそんなつもりではないでしょうけど、お笑いとか、ゾフィーとか、好きでよかったなと思えた日なので私の中では特別なネタです。
アンガールズはなんかとっても幸せな気持ちになりましたね。自虐要素のあるネタに幸せとかいうのはちょっと言葉選びのセンスに欠けるかもしれないのですが、自然で、仲よさそうで、完成された自分たちの世界で笑いをやっている感じ、とても素敵でした。単独ライブ行きたくなったので、もうそれで大正解だったと思います。面白かったなあ。
ジャングルポケットとかさらば青春の光は、テレビの芸人さんだからこその良さを感じました。まず大道具を使いこなしてる感じ。ジャングルポケットの完成度の高さ、痺れたもんなあやっぱ。「やめろ〜〜」待ち、ふふ。さらば青春の光のパワースポットも以前見てたくさん笑ったネタで、おふたりがそれを勝負の場に持ってきてくれている感じがよかったなて思いましたね。ああいうもう売れまくっている人がネタで勝負し続けていることそれ自体もとても素敵だなって思います。かっこいいですね、本当に。アキナもそうですね。M-1でもキングオブコントでも決勝にいる凄さ、とてつもない。華のなさも最近は評価される時代みたいになってるようですし、単独とかでちゃんと拝見したいなと思わせてくれました。他のネタも見たいですね。山名さんの表情の作り方が素敵です。GAG少年楽団も一度劇場で見ただけなのですが、やっぱりとっても面白かったです。完全に私の中のニュアンスになってしまうのですが、関西のコテ感、みたいなものを感じられる稀有な存在ですよね、ずっとこのままでいてほしいなと思ってます。ライブ行きたいなあ。
そしてにゃんこスターですね、なんか、もう、すごかったです。この1ヶ月くらいで何度も見ているのに、「おいらは縄跳び大好き少年さ〜〜〜〜〜!!!!!!」で結局大声で笑ってしまいました。絶妙な表情の松本さんも、「2本目が楽しみですね」の設楽さんも最高だったし、間近で見てお話もさせていただいたことのあるお二人があそこにいるの、とんでもないなあと思いました。実際一番笑ったな、本当に。なんか悔しくなるような面白さ。
優勝したかまいたちはもう、納得という思いです。1本目はびっくりするような面白さで、後半の展開もテンポが良くて大好きだなと思いましたし、2本目は動きの面白さと、ワードセンスの素晴らしさが両立されている感じが最高だなと思いました。「目処」とか、ね!面白かったです。とても。おめでとうございます。

 

人間は、誰よりも幸せになりたい、よく生きたいという感情がすべての行動の元になっていると思っています。何か悪いことが起こっているとしても、その良さのベクトルの違いで争いが起こったり、泣いたり怒ったりしなければならなくなっているだけだと思うんです。言葉や拳で誰かを殴りたい人だって、自殺したい人だって、その方が今よりも楽だと思っているからでしょうし。そう考えた時、お笑いってその「良くなりたい」がかなりストレートに表れているものだと思うんですよね。同じような世界でも、例えば社会派の演劇や音楽にはもっと直接的に負の感情をベースにしている様が見えることが多い気もしているのですが、お笑いはもっとシンプルに、楽しいことをして、人を笑わせて、それでみんなハッピーになろうみたいな、それだけな気がするし、実際それだけでいいので、本当に幸せな世界だなと思います。もちろんもっと広く見れば「他を貶める笑い」みたいなものも確実に存在するとは思うのですが、賞レースに出て結果を残そうと思っている人が、わざわざそういう負のエネルギーに塗れた笑いのカードを使って消耗しながら、何かをどうこうしようとするなんてことはあまりないのではないかなと思います。想像ですけど、やってて疲れそう、なんか、そういうのは。

 

だから、享受する側も、シンプルに、フラットに、笑えるような頭になればいいなと思っています。私自身、デブとかハゲとかブスとか、そういうのを執拗に貶し続けた結果の笑いには時々チクリとする時があります。例えばレイプとかをネタにするものは確かに笑えないなと思ってしまう瞬間があることも事実です。でも、まあ、お笑いの世界だからと思えばすべては収束していきますし、全部笑いになることそれ自体に救いも感じますね。こちら側にもそうやってみる心の余裕は欲しいですよね、なんとなく。お笑いなんだから。緩急とかに通じる「怖さ」みたいなところもそのあとの笑いを引っ張るためのフックでしかないんだから、恐れを感じすぎる必要はないはずですし。

まあだから、少なくともわざわざ悪く言う必要はないと思うんですよ。面白かったことを面白かったって思っていればそれで。批判や中傷することで得られる、鋭利な気持ち良さというのはなんとなく理解ができて、それはふわふわとした多幸感よりも確実に心に残る気はするのですが、楽しい世界なんだから、わざわざ遠くから、邪を持ち込まなくていいよ〜〜〜!!!!!!!って気分になります。でももう、私が面白いと思ってることにやんや言われてても、それも全部、ある種の人気と話題性か〜〜〜〜って思えば平気ですしね。ふふ。どうでもいいんですよ細かいこと。私はただ面白いもの面白いと思って笑ってたい。そう思える私は幸せな側にいます。全部楽しい。

 

いろんな面白さがあっていいし、いろんな芸人さんがいていいと思うし、好き嫌いもあるし、流行り廃りもあるし、私は面白いものを面白いなあと思いながら、ヘラヘラ楽しんでいたいです。芸人さん達のたくさんの苦労も、涙も、勝ったり負けたりしてきた事実も全部肯定して、そのうえでひたすらに笑っていたいですね。

あとちょっとだけ思っていることですが、キングオブコントは終わりましたが、決勝にいた芸人さんも、そうではない芸人さんにも、日常はこれからもあるんですよね。少なくともあそこにいた人たちは全員、この世にいるコントやる人たちの中では上位0.5パーセントのおもしろに選ばれた人たちなんだから、ここを踏み台にして、どうにかしてこのままずっと、幸せになって欲しいなと思います。終わらせないでほしいです、なんか、うまく言えないんですけど。同時に、昨日たまたまあそこの舞台に立たなかった人が面白くない芸人なんてことは絶対にないと思っていますし。

 

面白いことをしようと思っているすべての芸人さんと、それを支えているスタッフや裏方の人と、一緒にキャッキャと笑って感想をSNSに上げてくれるみなさんと、全員感謝していますよ、私は。ありがとうございました。M-1も楽しみです。たくさん笑って生きたいですね。ありがとうございました。