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M-1グランプリ2016を追いかけてみた話

ゆりかごから墓場まで。外はとっても暑いくせに冷房が強すぎて震えるほど寒い新宿のシアターモリエールから、イルミネーションの光だけが暖かくて風は泣きそうになるほど冷たい夜の六本木ヒルズアリーナまで。季節が巡って、M-1グランプリ2016は終わりましたね。今回はひたすら、M-1の話をします。

 

先にお詫びというか、言い訳をしてしまいますが、私は「にわか」です。今年の準決勝くらいまでなら、どの芸人さんも名前は知っていて、ネタもほとんど一度以上は見たことがありますが、M-1の過去の優勝者がどうとか審査員がどうとか、そういうのはWikipediaを一通り眺めたくらいの知識しかありません。ライブに通っていて番組を必ず見て、みたいな芸人さんもいません。

そんなにわかのお笑い好きですが、今年は、1回戦からちょっとずつだけ、会場に足を運んでみたりしました。最初はサツマカワRPGが漫才をやるところを見られるのはかなり貴重だからという思いで行っていましたが、回が進むごとにやはり面白さの質や緊張が高まっていく感じは他にはないものだったので次々とチケットを取ってしまい、そして、敗者復活戦に行ってきました。友達がチケットとってくれたんですよ、ありがとうございます!

先ほども書いたように、特定の誰かのファンではなかったのですが、だからこそそれなりに落ち着いて、楽しく見ていられたように思います。

 

敗者復活戦を見る

敗者復活戦は六本木ヒルズのアリーナで。基本的に寒かったんですけど、ライトで妙に暖かく感じました。準決勝も見ているので同じネタをブラッシュアップしてきている芸人さん、全く違うネタを持ってきた芸人さんなど、いろいろなパターンがあって飽きずに楽しめましたね。準決勝のときにはそんなにウケていないような気がした芸人さんがめちゃめちゃ面白かったり、その逆もあったりしました。はりけ〜んずさんのMCがほんとに安定感があって素敵だったこともお伝えしておきたいところです。外のステージなので、時々救急車のサイレンや犬の鳴き声が聞こえたり、ネタによって音がちゃんと拾えていなかったりするのはもったいないなあと思いました。

ネタの話はあまりしないでおこうと思いつつ、これは敢えて言いたいんですけど、霜降り明星がひたすら面白かったですね…会場のウケもめっちゃ良かった気がします。彼らを東京で見られないのが残念すぎますほんと。霜降り明星!!みんな見てね!!

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結果発表と涙

敗者復活戦の勝者の発表までは、そのまま会場で見られるということだったので、大きなビジョンで途中まで決勝を見ました。お笑いを好きな人たちがたくさんいて一緒に見られるのはなんだかわくわくしましたね!

ステージには敗者復活戦に出た芸人さんが並んでいて、そわそわしている人や、とにかくよく笑う人や、芸人さん同士であれこれお話している人がいて、なんとなく画面よりもそちらをちらちらと見てしまう自分がいました。

 

アキナ、カミナリ、相席スタートのネタが終わって、いかにもADみたいな人が芸人さんに指示を出して、決勝進出者の発表の時間になりました。

5位以内までがあっという間に発表され、そこからゆっくりと一組ずつ、名前が呼ばれていきました。画面と芸人さんたちは時計でいうと9時と12時の位置で、どちらを見ていればいいのかわからなくて、首がもげそうでした。

 

とろサーモンが4位で呼ばれて久保田さんが頽れた瞬間の、他の誰のときよりも大きい悲鳴と、一瞬会場が冷えた感じは、なんとも言えなくて、本当に心臓がチリッとしました。そのあと、和牛のおふたりがきちんと喜ぶ間も無くステージを降りてスタジオに向かう様子はとてもキラキラして見えました。明暗、だなあと。

 

和牛のおふたりがいなくなって、芸人さんが舞台からはけて、ざわざわとお客さんが立ち上がって帰っていきました。友達はとろサーモンが大好きだったのですっかり言葉を失っていて、私よりも年下であろうかわいい女の子が、ガッツリ泣きながら歩いていました。

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お笑い、なのに、絶望したり泣いたりする人がいて、泣くほど喜んでいる人がいて、すごい世界だなと思いました。正直、こんなにいろんな感情が渦巻いている世界だとは思っていませんでした。

 

M-1を見ること

芸歴とか人気不人気とか苦労話とか、なんかそういうの気にせず、シンプルに、純度の高い面白いものを、大きな声で面白いと言ってケラケラ笑っていたいなあと思います。でもM-1グランプリの番組内で言っていた「漫才Dream」とか「今宵、人生が変わる」みたいなフレーズとかもその通りだと感じますし、実際に変わっている人もいるんだろうなというのは納得感があります。

去年まではその辺に対してそれほどなにも思わなかったのですが、ここ何ヶ月かでよくお笑い関係のツイートを見るようになって、ライブにも行って、ということをしていると、1組の漫才師や、ひとつのネタの後ろにあるたくさんの思いが透けて見えて、なんだかケラケラ笑っている以上のことは考えてしまいますね。

だから例えば、最近漫才師の方々の解散報告なんかを見かけたりすると、M-1グランプリのここまでの結果が何かしらのきっかけになったりしているんじゃないかな、くらいは邪推したくなります。

 

M-1グランプリの存在感たるや、という思いです。そういう巨大な目標に向かって努力されている芸人さん達は本当にかっこいいし、その人達に対してたくさんの人とお金が動いているのもめっちゃいいなと思います。良いものにはきちんとお金が支払われるべきですから。

 

そんないろいろなことを思ってしまうようになってしまったものの、家に帰って見たM-1グランプリはただ純粋に楽しかったです。3回戦から準々決勝はほとんどの動画を見ていますし、準決勝も見に行っているので、ほとんどは見たことのあるネタでしたが、それでも面白かったです。M-1グランプリの豪華なセットで、綺麗な衣装を着た2人が並んでいて、 ボケて、ツッコんで、お客さんがドッって笑って、みたいなやつ、とっても良いですね、かっこよかったです。劇場でも何度も見ているカミナリがあのステージにいるのはやっぱり最高でしたし、相席スタートもM-1対策ライブで見て最高だな面白いなと思ったやつをやってくれてて、しびれました。

 

そんな感じの、M-1グランプリ2016決勝でした、銀シャリ、おめでとうございます。面白かったです。みんな面白かったけど、銀シャリのネタが最高でしたやっぱ。

 

 

「3回戦止まり」の意味

最後に、特定の誰かのファンではない私から、もしこのブログを読んでいる特定の誰かのファンではなくて、割と最近ちゃんとお笑いを好きになった人がいたらどうしてもお伝えしたいことがありますので、それだけ。売れるかどうかは私にはどうしようもないのですが、面白いかどうかは自分で決められますよ、という話です。

 

「あの人たち面白いのに3回戦止まりだったのはおかしい」と「あの人達は3回戦止まりだからどうせつまらない」は、似ているようでかなり違います。後者は私からしたらほんとに残念です。

 

私も、好きな芸人さんには売れて幸せになってほしいので、「賞レースで優勝したい」のであれば優勝してほしいと思います。「テレビにたくさん出たい」のであればたくさん出てほしいと思います、それはもちろんそう。いやほんとそう。

でも、それとは別に、面白いかどうかって、あるので。好きかどうかみたいな。そういうのを知らずに例えば早い段階で落ちた人たちはもうつまんね論外!ってしちゃうのはまじでもったいないなと最近気づきました。今までほんと損してましたね!ものを知らないってだいたい損しますからねほんと!税金とか法律とかそういうのもそう!知らない人が損するようになってるんですから世の中!

 

良かったら、来年以降もM-1グランプリがあって、予選が普通に見られるやつだったら、見に行ったらきっと楽しいと思います。個人的には、3回戦以降であればほとんど全員安心して笑えますし、その中で勝ち抜いてきた人がいかにすごいかというのを十分に実感できるように思います。そのうえで、テレビに出ている芸人さんがいかに面白いかということも、テレビに出ていない芸人さんがいかに面白いかということも、どっちも、きっとよく分かります。テレビで見るお笑い番組はもちろんキラキラして素敵ですが、劇場で、たくさんのお客さんと一緒に見るお笑いも同じくらい楽しいし、今の私は後者の方が好きです。

私はきっと来年もM-1グランプリの1回戦から行きます。今から楽しみです。劇場で会いましょうね。

 

追記:M-1グランプリに出ていたすべての芸人さん、たくさん笑わせてくれて楽しい時間を作ってくれてほんとにありがとうございました。これからも応援しています。M-1グランプリを作ったテレビ局や制作会社やスポンサーやそのほか関係者の皆様、芸人さん達にこんな機会をつくってくれてありがとうございました。これからも楽しい番組を作って、芸人さんにたくさんお金を差し上げてください。あとどん兵衛、美味しかったです。